流行性角結膜炎
結膜炎にはアレルギーが原因でおこるものの他に、細菌やウイルスが原因でおきるものもあります。アレルギーが原因であれば病気が人にうつったりすることはないのですが、細菌やウイルスが原因であればそうはいきません。なかでも、特に人から人への感染力が強いのが「アデノウイルス」による結膜炎で、アデノウイルスの中でもタイプの違いによって症状が違うため、症状の出かたによって流行性角結膜炎や咽頭結膜熱(プール熱)などと呼ばれています。
治療について
診断にはまず結膜を綿棒でこすり、その中にウイルスがいないか検査液と反応させる方法で行います。しかしながら、この方法で検出できるのは約70%といわれており、検査で陰性だったからといって安心できません。結膜炎の充血や目やにの状態に加え、受診した方の家族や職場に結膜炎の人がいないか、リンパ節が腫れてないかなどの情報と併せて、総合的に診断します。
治すためには、アデノウイルスに対する特効薬がないため、自分の免疫力がウイルスをやっつけてくれるのを待つしかありません。治るまで、通常は10~14日程度をみておく必要があります。元の原因を絶つことはできませんが、症状が強すぎる場合には炎症を和らげる点眼薬を使用します。
目の病気 流行性角結膜炎(はやり目)・咽頭結膜炎(プール熱)学校に通っていらっしゃるお子様がかかってしまった場合には、学校保健安全法で指定された病気のため、症状が治まるまで学校を休まなければなりません。当然プールも禁止ですが、結膜炎が治った後もウイルスがお腹の腸の中に潜んでいるため、症状がなくなってからもしばらく控えなければなりません。プールに入る前に腰洗い槽を通るのはそのためです。
ご自宅でもタオル、洗面器、ドアノブなどを介して家族に伝染するため、タオルを別にしたりお風呂は最後にしたり、ご家族みんなが目をこすらない・いじらない、こまめに石けんを使って手洗いをするなどの注意が必要です。