鼻涙管閉塞
人間の眼の表面には常に涙が出続け、まばたきと併せて表面を潤す働きがあります。出続ける涙があふれてしまわないのは、目がしら側の上下に「涙点」という排水口があって、そこから余分な涙液とともに汚れを鼻の奥へ流しているからです。感動して涙が流れたときに一緒に鼻水が出てしまうのはそのためです。鼻へ向かう排水路のことを「鼻涙管」と言います。この排水路の途中が詰まってしまった状態が鼻涙管閉塞です。
治療について
鼻涙管閉塞で詰まってしまった場所により、涙が常にあふれてタオルが手放せなくなったり、淀んだ涙に細菌が増えて感染症を起こすことがあります。ご高齢の方がなりやすい病気ですが、産まれたばかりの赤ちゃんのうち約10%は鼻涙管閉塞があるといわれています。ただ、生まれつきの場合は1歳になるまでにほとんどが自然に開通し、それ以降の処置は必要なくなります。
成人がこの病気になった場合は点眼薬によって治すことはできず、治療には手術が必要です。涙点からシリコンの細い管を入れて詰まりを解消する手術ですが、当院でも可能です。時期をみて管は抜きますが、それでも再発してしまうような場合はもっと大がかりな手術が必要になりますので、その治療を専門としている医療機関をご紹介します。